
カメラ用語にポートレート撮影という言葉がありますが、初めて聞く方もいれば、なんとなくなら知っているという方もいらっしゃると思います。
そこで、ポートレートに撮影について徹底解説しようと思います。
また、ポートレート撮影向けのレンズの選び方や、実際におすすめの一眼レンズ【ニコン&Canon】を紹介します。
最後にポートレート撮影テクニックも公開しますので楽しみにしていてくださいね。
カメラの用語でのポートレートとは?
ポートレートとは、人物をテーマの中心として撮影した写真のことです。
写真のメインとなる被写体が人物であれば、背景に他のものが写っていたとしてもポートレートと呼びます。
つまり、写真にテーマがあって、その中心が人物であればポートレートになります。
ポートレートでは、人物(被写体)との関係性が写真に現れる。
ポートレートは、広角レンズから望遠レンズまで、さまざまなレンズを使い分けて撮影したり、レフ板を使用したり、撮影する角度を変えてみたりと難易度が高いジャンルです。
しかし、いちばん重要なのは被写体との人間関係です。
お互いの尊敬や信頼がなければ、被写体の魅力を引き出すことはできません。
被写体一人ひとりで個性やアイデンティティが違います。
相手のことを理解しようとする姿勢や、大切にしているという気持ちが伝わることで、被写体の魅力を引き出した最高の作品にすることができます。
撮影中だけでなく、撮影前からモデルと関係は始まっていますので、コミュニケーションに時間をかけることが大切です。
撮影をとにかく楽しみ、子供のような遊び心を持つことが上達につながる。
ポートレートをただの写真撮影として捉えると、そこにはワクワクした気持ちがありませんので上達につながりません。
そうではなく、例えば、あなたは人気女優を撮影するプロカメラマンとします。
被写体の綺麗な芸能人をさらに美しく撮れるように、頭を使って工夫しながら撮影しましょう。
「どのように撮影すればもっと自分好みの綺麗な女性に魅せることができるだろうか?」
このように前向きに楽しく考えれば、撮影の時間が楽しくなります。
ポートレート撮影が上手なカメラマンはかならずといっていいほど遊び心を持っています。
前向きに楽しんで撮影するからこそ被写体の魅力を引き出すことができます。
このように遊び心を持ってポートレート撮影に取り組むことで徐々に直感が磨かれ、良いと思ったタイミングで自然とシャッターが切れるようになるでしょう。
ポートレートレンズのおすすめの選び方
人物を撮影するのに適するレンズをポートレートレンズと呼びます。
ポートレートと言っても、例えば全身を撮りたいのか、バストアップにするのかで選ぶレンズか変わります。
また、撮影する対象が女性なのか子供なのかで揃えるレンズが変わります。(もちろんレンズを決める要素はこれだけではありません。)
しかし、いちばん大切なことは、自分のお気に入りのレンズや、撮影が楽しくなるレンズを見つけて使いこなすことです。
ここでは、一般的なポートレート撮影でおすすめのレンズの選び方を紹介します。
ポートレート撮影に最適なのは中望遠レンズ
一般的に、ポートレート撮影に最適なのは中望遠レンズと言われています。
これは「歪まないレンズ」だからです。
人物が中心となるポートレート撮影において歪まないことが重要です。(歪みが大きいレンズで撮影することもあります。)
歪みは遠近感のアンバランスさによって生じる。
例えば、広角レンズでは近くにあるものが遠くに見えるので、遠近感がつきすぎてしまい歪みが生じます。
一方で、望遠レンズは遠くのものが近くに見えるので、遠近感がつかなすぎるので歪みが生じてします。
この遠近感にアンバランスさがあり過ぎるとポートレート撮影には向いていません。
この遠近感のバランスが取れたものが中望遠レンズです。
はじめに買うべきおすすめの中望遠レンズは?
中望遠レンズは、焦点距離が70mm~135mmまであるので、ズームレンズにするのか、単焦点にするのか迷いどころだと思います。
まずは、単焦点レンズをおすすめします。
なぜなら、単焦点レンズの方が、ぼけ感を綺麗に出しやすいからです。
次に焦点距離ですが、85㎜のレンズをおすすめします。
85㎜レンズには性能がいいものが多く、歪みも少ないので顔の自然な表現が出しやすいです。
被写体のモデルとの距離も近すぎず遠すぎることがないので、コミュニケーションがとりやすいことも理由の一つです。
標準レンズ、広角レンズでおすすめの焦点距離は?
中望遠レンズ以外で持っておくと便利なレンズ(焦点距離)を紹介します。
2本目3本目と購入できる余裕がある方は是非チャレンジしてみてくださいね。
広角レンズ
広角レンズをポートレート写真で使うと被写体が歪みやすいので、使いこなすにはテクニックや練習が必要です。
ただ、メインとなる被写体(人物)を強調した迫力のある撮影が可能になりますので、1つは持っておきたいところです。
また、遠近感がつけやすいので、わざと距離を引いて全景を見せるように撮影することも可能になります。
自分の足を使って被写体との距離やアングルを変えながら使うことで、レンズの特性がわかるようになるので、実際にたくさん使ってみましょう。
24㎜、28㎜、35㎜の広角レンズすべておすすめしたいところですが、ポートレート用としては35㎜のレンズがいちばん使いやすいのでおすすめします。
ただ、APS-Cサイズのカメラを使用している方は、焦点距離が53mmレンズ相当になるので、24㎜か28㎜のレンズを選ぶとよいと思います。
標準レンズ
標準レンズは見た目に近い自然な写真になるので使いやすいレンズだと言えます。
しかし、中望遠レンズや広角レンズと比べると表現に物足りなさを感じるので、ポートレート用としては逆に使いこなすのが難しいとも言えます。
標準レンズでおすすめなのは、50mmのレンズです。
50㎜レンズは、値段が安い割に高性能なレンズが多いですし、ポートレート以外でも活躍の場が多いので持っておいて間違いないと思います。
APS-Cサイズのカメラに使用している方は、焦点距離が75mmレンズ相当になるので、ポートレート撮影でも活躍できます。
ポートレート撮影におすすめレンズ【ニコン&Canon】を紹介!
先ほど紹介した「ポートレート撮影用レンズの選び方」をもとに選んだレンズを紹介します。
以下が一眼レフ2大メーカーの(ニコン&Canon)のおすすめレンズです。
- Nikon AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G
- EF85mm F1.8 USM
<広角レンズ>
- Nikon AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G
- Nikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED
- Canon EF28mm F1.8 USM
- Canon EF35mm F2 IS USM
<標準レンズ>
- Nikon AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
- Canon EF50mm F1.8 STM
ポートレート撮影テクニックを公開!
ここで、お待ちかねのポートレート撮影が上手くなるための撮影テクニックを公開します。
上達のための参考にしてみてください。
被写体をはっきりさせ背景をぼかす。
カメラを絞り優先モードにしてF値を小さく設定し、背景をぼかしましょう。
ぼかしを使うのであれば、ズームレンズよりも単焦点レンズがおすすめです。
背景を生かす。
背景をぼかしてばかりでは、個性や特徴がなく面白みのない写真になりがちです。
時には背景を活かして撮影することで、モデルの魅力をより引き出すことができます。
背景を生かすには、頭をつかって考え、自分の足を使って撮影距離やアングルを選ばないといけませんので撮影技術が向上します。
是非チャレンジしてみましょう。
あくまで被写体がメインですので、背景が被写体よりも目立つものは避けましょう。
露出補正を使いこなす。
カメラは自動的で露出補正する機能がありますが、ポートレート撮影ではマニュアルで露出補正できるように練習しましょう。
女性が被写体の場合は、明るめに設定して撮影することで美白に撮影することができます。
ただ、白飛びしやすいので注意しましょう。
ただ、露出補正にこだわりすぎるのではなく、標準露出で撮影した後にRAWを暗部修正するという手もあるので覚えておいてくださいね。
男性が被写体の場合は、少し暗めに設定することで、肌の質感を再現し渋さを表現することが可能になります。
カメラのアングルを変える。
通常のアングル以外にも、台や脚立などを使って上から撮影したり、下から見上げるように撮影したりとカメラのアングルを変えるだけでも印象が変わります。
ハイアングル撮影すると可愛い雰囲気が出やすく、逆にローアングル撮影すると大人の雰囲気が出やすくなります。
ハイアングル撮影をする場合には、足が短く見えてしまうので、足上までの撮影にしましょう。
被写体の大きさや向きを変える。
人物の大きさや向きを変えるだけで大きく印象が変わります。
例えば、スタイルの良さやトータルファッションを魅せたいのであれば全身撮影が良いですし、表情を魅せたいのであればバストアップ撮影にします。
また、被写体を斜めから撮るだけでも印象が大きく変わります。
横顔や斜め後ろから撮影したりするなど色々試して練習してみてくださいね。
広角レンズで足の長さを強調する。
広角レンズで下からやや見上げるように撮影すると足の長さを強調することができます。
スタイル良さを引き出すことが可能です。
半逆光で撮影する。
ポートレート撮影では順光はほとんど使いません。
モデルが太陽の光でまぶしく、目も細くなりがちだからです。
前方45度や後方45度くらいから太陽光が当たるようにして撮影しましょう。
逆光撮影には日中シンクロもしくはレフ版を使う。
逆光で撮影する場合、被写体の表情が暗くてよく見えませんよね。
かといって、露出補正で明るくすると背景が露出オーバーになってしまいます。
このようなシーンで有効なのが、日中シンクロです。
ポイントは、ストロボにデフューザーを使って光を拡散させたり、バウンスさせたりして、被写体に直接光を当てないことです。
また、レフ板を利用すると被写体を明るく撮影することが可能になります。
夜景撮影にはスローシンクロする。
フラッシュの光で被写体を明るく写すだけでなく、夜景をスローシャッター(シャッタースピードを遅くすること)によって明るく撮影することができます。
ただし、シャッタースピードが極端に遅くなるので、手ぶれ防止のために三脚が必要になります。