
昔は掃除機といえばキャニスター型(昔からある一般的な掃除機)が定番でしたが、今はスティック型、ロボット型など様々な種類が出てきました。
ただ、種類が多くなったがゆえに自分にはどんなタイプが合っているのか、買うときにはどんな点を注意すればいいのか、よく分からない人も多いはず。
この記事では掃除機に選ぶときの注意点やおすすめの機種について紹介していきます。
掃除機を選ぶときに失敗しないポイント
結論を先に言ってしまうと全てのニーズに対応した掃除機は存在しません。
じゃあどんな掃除機を選べばいいの、と疑問に思うかもしれませんが「自分の性格やライフスタイルに合った掃除機を選ぶ」ということが重要です。
早速、具体的な例を確認してみましょう。
こまめに掃除、それとも週末にまとめて掃除するか
あなたがこまめに掃除をする人か、それとも平日ではなく週末にまとめてするのか、によっても異なります。
もし普段からこまめに掃除をしたい人であればコードレスがおすすめです。
コードレス
- コードレスなので手軽に掃除ができる
- 重量が軽いので女性や高齢者でもお掃除しやすい
- 中上位機種になるとデザイン性があり部屋に置いていてもオシャレ
- 従来のキャニスター式掃除機に比べて吸引力が劣る
- 充電する必要があり、連続稼働時間が短い
- バッテリーの交換が必要
一人暮らしの方や住宅の収納スペースが限られているという方はコードレスがおすすめ。
また階段が多く電源コードを頻繁に差し替える必要がある場合にもコードレスが使いやすいかと思います。
充電の必要はありますが、気になるときにさっと手にとって掃除ができるのがいいですね。
コードレスでいうロボット掃除機も人気ですが、片付いていない部屋や段差のある箇所では使えませんので注意しましょう。
キャニスター
- 吸引力が高い
- ヘッド部分を変えることで様々なお掃除のシーンに対応できる
- ゴミを貯められる容量が多い
- 充電の必要がない
- コードレスに比べサイズが大きい傾向にあるので小回りがきかない
- 収納スペースをとる
キャニスターとは昔ながらの掃除機のことで、本体には車輪が付いており、コンセントに電源コードを差して使います。
充電や頻繁なゴミ捨てが必要なく、昔ながらの商品なので使いやすいというのがあるでしょう。
コードレスと違い稼働時間を気にする必要もありませんので、時間をかけて掃除したい人向けです。
また平日は掃除する時間がなく、週末にまとめて行いたい人にもおすすめ。
吸引力で選ぶならやっぱりサイクロン式がいいの?
皆さん掃除機を選ぶのに重要視するのが吸引力ではないでしょうか。
カーペットに掃除機をかけたにも関わらず、粘着カーペットローラーをかけると結構ゴミが残っているなんて避けたいところ。
ダイソンが登場してから「吸引力が落ちない」という事がよく謳われています。
そんなダイソンの影響からか吸引力に関してはサイクロン式を選んでおけば間違いないと思っている人もいるのではないでしょうか?
しかし、そこが落とし穴で理由もなくサイクロン式を選んでしまうと通常の紙パック式の方が良かったなんて事も実際あるのです。
ではどんな住宅や環境がサイクロン式、紙パック式に向いているのか解説していきます。
吸引力の目安である吸引仕事率の数値だけに騙されない
ここで言いたいのは吸引仕事率=吸引力とは限らないということ。
掃除機のスペックを見てみると吸引仕事率という数値が出てきます。
この数値は「掃除機の吸引力を表した数値」を表します。
よく疑問に思うのがサイクロン式の吸引仕事率が低く、紙パック式が高いという事。
具体的には紙パック式の三菱電機Be-K TC-FXG5Jの吸引仕事率は300Wですが、サイクロン式であるダイソンのV7 Fluffyは100Wしかありません。
これは一見ダイソンのサイクロン式に比べて三菱電機の紙パック式は3倍吸引力があるように思えます。
しかし、紙パック式というのはゴミが溜まるにつれ吸引力が落ちてしまうというデメリットがあります。
紙パックを交換した後、掃除機がとても吸うようになったという経験はあるのではないでしょうか。
吸引力が落ちることを前提としていますので、吸引力がもともと高く設計されているんですね。
よって吸引仕事率の数値がそのまま発揮されることはありません(ただ最近は紙パックにゴミが溜まっても、別の風の通り道を確保することで吸引力が落ちないタイプも出てきています)。
一方でサイクロン式は竜巻の遠心力を利用することで吸い込んだ空気とゴミを分離する仕組みです。
これによってフィルターの目詰まりが少なく、吸引力が落ちにくいのが特徴となっています。
吸引力が落ちにくいので、吸引仕事率の数値が紙パックより低くても高いパフォーマンスを保っていられるんですね。
サイクロン式、紙パック式それぞれの特徴を考慮して選ぼう
吸引力については一概にどちらの吸引力がいいというものではないことが分かりました。
じゃあ何をもってサイクロン式と紙パック式を選べばいいのでしょうか。
下記にそれぞれの特徴をまとめてみましたので確認してみましょう。
- 紙パックが必要ないので、ランニングコストがかからない
- ゴミが溜まっても吸引力が落ちにくい
- ゴミを貯める容量が少ないので、ゴミ捨てを頻繁にする必要がある
- 捨てるときにホコリが舞やすい
- 臭いが気にならない
- 紙パックが必要なのでランニングコストがかかる
- ゴミの貯められる量が多く、頻繁にゴミ捨てが必要ない
- 紙パックにゴミが溜まると吸引力が落ちる
- 吸引した空気が紙パックのゴミを通過するので臭いが気になる場合がある
メンテナンスの点でサイクロン式が面倒な方は紙パック式を選ぶといいでしょう。
ランニングコストで考えるとサイクロン式の方が経済的で、また紙パックのストックが必要ありません。
ペットを飼っている方は非常にゴミが溜ますので、サイクロン式がおすすめです。
しかし、サイクロン式は部品パーツが多く、紙パック式と比べてどうしても高額になりがちに。
安いサイクロン式だと吸引した空気とゴミが上手く分離しないこともあるようですので、極端に安いモデルは控えておくのが無難です。
吸引力が落ちるのにも関わらず、メンテナンスは必要になる事態にならないよう注意して下さい。
吸引力を左右するヘッドの種類
掃除機を買い換えるときにヘッドの種類を考慮する人はどのくらいいるでしょうか。
ほとんど知られていませんが、吸引力を重視するにあたってヘッドの種類というのは吸引仕事率より重要と言っても過言ではありません。
モーター式(自走式)
モーターの力でヘッドのブラシが回転するタイプです。
本体だけでなく、ヘッド自体に小型のモーターが付いていますのでモーターに負荷がかかっても止まりにくいのが特徴になります。
カーペットに絡みついた髪の毛やフローリングの溝の汚れなど通常では取りにくい汚れに非常に効果的。
また自走式タイプだとモーターの力で前に進んでいきますので、女性や高齢者の方でもお掃除がしやすいです。
サブではなくメインで考えるのであれば是非モーター式にしておきましょう。
エアタービン式
吸い込まれる空気の力を利用してヘッドのブラシを回転させるタイプです。
モーターヘッドに比べると汚れを掻き出す力が劣ります。
ブラシにゴミが詰まりやすいためフローリングでは問題ありませんが、カーペットではあまり威力を発揮しません。
その他(床ブラシ)
吸い込み口だけでブラシが搭載されていないタイプやもしくはゴミがひっかる程度の回転しないブラシが付いていることがあります。
メインの掃除機としては力不足感が否めませんが、メインとは別の2台目としてはいいかもしれません。
低価格で抑えられるため、スティック型やハンディ型のタイプで見られます。
掃除機人気ランキングとおすすめの機種
今まで掃除機の選ぶポイントについて述べてきましたが、いよいよ人気ランキングについて紹介します。
今まで解説してきた通り自分に合ったものと人気ランキングを照らし合わせて参考にしてみて下さいね。
1位 ダイソン Dyson V8 Fluffy SV10FF2
2017年5月発売、実勢価格¥82,944(税込)です。
店頭やAmazonでは¥59,341~¥69,800(税込)くらいが相場となっています。
特徴的なのはヘッドが従来のブラシではなく、ナイロンフェルトのソフトローラークリーナーヘッドがゴミの大小に関わらず綺麗に取り除いてくれます。
ダイソンの従来のブラシタイプは床との隙間距離が短く、大きいゴミだと吸い込まずに弾いてしまうことがありました。
しかし、ソフトローラークリーナーヘッドはヘッドと床の隙間が確保され改良されています。
家具と家具の間には隙間ノズル、凹凸がある場所にはコンビネーションノズル、お布団やカーベットなどのファブリックにはミニモーターヘッドを使うことで様々なシーンに対応できるのも嬉しいですね。
欠点を挙げるとすると標準モードの稼働時間は30分ほどあるので問題ありませんが、強モードにすると約7~8分で短いこと。
マンションではいいかもしれませんが、充電時間は約5時間なので戸建は何回かに分けて掃除する必要があるでしょう。
そしてV6よりも約300gより重く2.61kgになっているので長時間使用する場合は手首が疲れてくるかもしれません。
デメリットもありますが、実際にフローリングに掃除機かけてみると床を拭いたような仕上がりには驚きですし、音も静かなのでとても使い勝手がいい商品です。
2位 マキタ CL107FDSHW
2016年9月発売で実勢価格¥21,600(税込)ですが、Amazonでは13,800(税込)から購入できます(2017年9月24日)。
ランキング上位の中ではCMをしていないにも関わらず唯一のランクイン。
一時期は品薄までになったスティック式のモデルで、何といっても驚きなのはたった1.1kgという軽さ。
そしてスティック式は充電時間がかかるというデメリットがありますが、CL107FDSHWは急速充電で22分しかかかりません。
makita(マキタ)はもともと電動工具のメーカーであるという理由もあるからでしょう。
充電後は標準で25分、強で12分、パワフルモードで10分の連続使用が可能です。
家の広さや稼働モードによっては稼働時間が短いと感じるかもしれませんが、別売りの高容量バッテリー(本体価格約9,000円)を購入すると倍くらい稼働時間が伸びます。
また気になるコードレス式の吸引力の低さに関しても吸引仕事率は32Wを誇っており、同メーカー上位機種のスティック型と同等クラスです。
同じスティック型であるダイソンのDyson V8 Fluffy SV10FF2と比べると数値が劣っているように思えますが、フローリングや畳程度であれば全く問題はありません。
回転ブラシがついていませんのでカーペットに落ちた細かいチリやホコリには向かないことと、稼働時の音が大きいので掃除機をかけるときには注意しましょう。
それでも1位のDyson V8 Fluffy SV10FF2は約6〜7万円しますからコストパフォーマンスに優れていることが人気の要因なのかもしれません。
3位 ルンバ622 R622060
2014年9月12日発売と3年前のモデルですが、未だに人気は衰え知らず。
ルンバは型番が多いので選ぶときには非常に迷いますよね。
2014年以降と以前ではバッテリーの持ちが倍違いますので、この「XLifeバッテリー」を搭載しているタイプを選びましょう。
2㎝くらいの段差であれば乗り越えてお掃除も可能で、例え階段などの付近に近づいても自分で落下を回避してくれます。
特殊な環境や片付いていない場合だと機能しない可能性がありますので、付属のバーチャルウォールで指定場所以外侵入しないように設定をすることもできます。
また毛足の長いカーペットや電化製品のコードに引っかかったとしても、自動的に逆回転し絡まりを防止する機能を搭載。
ルンバは値が張りますが、このルンバ622 R622060は価格も約31000円からと手に届きやすい価格帯が人気の理由でもあります。
もしあと1万円ほどプラスして800番台の商品を選ぶとブラシの毛の詰まり方が変わってきます。
デメリットは床に物を置かないようにしないとルンバの良さが発揮されないということです。
あとは稼働時の音が大きくて気になるという意見もありますが、出かけている間に綺麗にしてくれる商品として捉えておくのがいいでしょう。